『ヒット曲は発明だ!』の備忘と感想

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『ヒット曲は発明だ!』


音楽オタク先輩であるぼくの生徒さんの勧めで今日買ってきて読み終えてしまいました。
1960年代〜2000年代までのヒット歌謡曲の分析をしつつ、どの部分が発明かと紹介してゆく本。

基本的には、「時代」、「歌詞」、「歌い方」、「ちょっとしたコード理論を用いた曲の雰囲気」をメインに書かれている本で、後半、たまにメロディについても触れてるって感じでした。大半は歌詞とコードのアクセントに焦点を置いてる感じ。僕は作詞も自分でするので、プロデューサーってそーゆーとこ見てんだ、と思いながら読みました。
そーゆーのなかなか感想聞けないですから。

グループ・サウンズ時代とか、フォークはほとんど聴いたことなかったので、よい機会だと思って取り上げられた一曲一曲を調べて聴きながら読んでたのでだいぶ体力がいりましたな(笑)

メロディやモチーフについてはほとんど触れられてないので、自分で鍵盤で弾いたりしながら探って分析するって感じです。楽譜が全部乗ってるので逐一耳コピしなくても良いのが楽でした。後半のJPOPには少しメロについても触れてた。

本書は音楽的な部分がほとんどコードについてなので、僕もコードの観点から好みだったものをちょろっと上げてゆきます。

♢ ♢ ♢

選曲された中でも、自分の好みだったのはユーミンの中央フリーウェイのコード進行の高度な並びでした。後半のJPOPにももちろん転調たくさんあるんだけど、最近の曲は「盛り上がるコード進行のテンプレが出来てて、そこにどうアクセントを加えるか」がメインな気がしてます。ウェブ上で、最近のヒット曲のコード進行とか分析してるサイトも結構あるけど、基本JPOPのコード進行はそんなにパターンあるわけじゃないのであんま意味ないんじゃないかと思ってます。パラレルモーション使う菅野よう子さんとか、撃!帝国華撃団のイントロとかそーゆー例外もあるけど。むしろメロディの方が重要。あと、歌詞。あと飽きさせない盛り上がる編曲。

中央フリーウェイはそーゆー、ヒットするコード進行+αじゃなくて、全体を通して曲が面白くなるような不意をつきつつナチュラルな部分転調とか借用コードとか入ってて旨味成分が多いです。ひえーって感じ。こーゆーじわじわくる音楽がまた流行るといいなあ。AABA的な進行の曲って最近ではたまにAKBで出るくらいじゃないですかね。もっとあってもいいのにライブでぶち上がらないから無理か。

他では、宇多田ヒカルのAutomatic。サビ入りの | DbM7 C7/E | が「うおー!」って感じ。で、入った瞬間の| Fm Cm | Fm Cm | がなんかもろヒップホップぽい。てかR&B。秀逸なコードチェンが他にも多くて、コード追うのが楽しいです。宇多田ヒカルの出で立ちと曲の感じ、「Digable Planets」ぽいとおもうの僕だけですかね。90年代。でも音楽はどっちかってゆーとマックス・マーティン全盛期のブリトニーとかのトラックに面白い転調や歌謡曲の要素が入ったといったイメージ。

あとは、aikoのボーイフレンド。メロディもコードもダントツでした。こーゆー曲かけるようになりたい。個人的にii7(メロ含めたらii9)から始まる曲ってあんまりメロディが出てこないのでそーゆー意味でもすごいって思っちゃう。しかもオーギュメントの音の使い方が秀逸でさらに上をいってる感じ。関係ないけど歌詞の「テトラポット」ってお●んちんのことなんですかね。ほんとのとこわかりませんが。PVもセクシャルな感じ出てるし。
バンジョーは落とし所?最近採譜してた曲でiiメジャーから始まる曲でよかったのは、海外ですが、Vampire WeekendのHarmony Hallです。

Vampire Weekend / Harmony Hall

他、メロディの観点から見ると、1960年代〜1980の曲を分析してる時がすごくわかりやすかったです。モチーフの上下や膨らまし。ケーデンスなど。

「バラが咲いた」
「ブルーライト横浜」
「中央フリーウェイ」
「希望」
「さよならをするために」
「プレイバックpt2」
「赤いスイートピー」

あたりはメロディがすごいわかりやすい。

いきものがかりは集大成的な感じなんでしょうか。JPOPの。その集大成の先の2010年代の曲に対する意見も読みたかったなあ。いきものがかりと、スキマスイッチてなんか曲の雰囲気似てますね。

あと、ミスチルの「innocent world」を聴いて、「売れる曲ってすぐわかる」っていうのがなんかわかりました。
王道を作った感がある。サビのモチーフの展開は少ないけど、Bメロからサビ入った瞬間の「あ、これ売れるわ」感。来て欲しかったものが来た感。全体のトータルなんですかね。

そういえばこの本、作詞・作曲は載ってたけど、編曲者の名前が書いてなかったのでそれは載せて欲しかったな。

♢ ♢ ♢

最近ぼくはカルロスKさんの曲をめちゃ採譜して研究してます。カルロスさんの言う強いサビ、弱いサビがわからなくてモヤモヤしていたところだったので。マネージャーさんとこないだ飯食っててもそのサビの話が出たので、じゃあわかるまで研究してやろう。って熱でやってます。

頑張れは1日で読み終わるし、メロディの分析を自分でしなきゃだから結構勉強になります。おススメ。

てゆーか、1日で読まないと時代の流れで変わってゆく曲の比較が出来ないから頑張って1日で読んだ方が良いかも。モチーフをとりあえず掴んで、メロの細かい分析(スタート音の度数とか)はあとでやればよいし。

てな感じです。以上。

こちらの書籍、気になった方はこちらから買ってみてください。

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